ラウンド | グランプリ名 | 決勝日 | 予選 | 決勝 | ランキング |
1 |
スーパーバイクレース㏌もてぎ ツインリンクもてぎ(栃木県) |
4/3 | 8位 | 2位 | 2位 |
4 |
スーパーバイクレース㏌ SUGO スポーツランドSUGO(宮城県) |
6/4、6/5 | 5位/2位 | 優勝/4位 | 2位 |
6 |
スーパーバイクレースin九州 オートポリス(大分県) |
6/19、20 | 5位 | 6位 | 2位 |
7 |
スーパーバイクレースin 岡山 岡山国際サーキット(岡山県) |
9/18 | 5位 | 4位 | 2位 |
8 |
第53回MFJグランプリスーパーバイクレース㏌鈴鹿 鈴鹿サーキット(三重県) |
11/6 |
※ラウンド2,ラウンド3 はJSB1000クラスのみの開催 ラウンド5 はJ-GP3のみ開催
レースは最終ラップを迎えた。小山は2番手につけ、トップを走る羽田の後ろにピタリと付けていた。そして勝負どころである90度コーナーにさしかかる。小山はインから仕掛けようとするが、後続も来ているだけに、ミスは許されない。ここはポジションをキープすることに切り換え2位でチェッカーフラッグを受けたのだった。
今シーズンからフロントフォークの仕様を大きく変更することを決意。3月に入ってからスポーツ走行を2回走り、事前テストをこなすが、煮詰め切れていない部分も残っていた。それでも可能性を秘めていると判断した小山は、あくまで決勝を見据えてアベレージタイムを上げるマシンセットを進めていった。
公式予選では、一発のアタックは出せずに苦しんでいたが、それでも自己ベストを更新。タイヤの表面グリップで走るライダーもいるため、8番手というポジションは、それほど気にしていなかった。
ST600は、ドライコンディションで行われた。好スタートを切った小山は、1コーナーで4番手に浮上。混戦の中、トップを走る荒川選手が逃げないようにマークしていた。その後、羽田選手がトップに立つとペースを抑えたため、トップグループは、7台にふくれ上がる。大集団になったことは、小山にとっては想定外だったが、タイヤマネジメントをしながら周回を重ねていく。そしてラスト5周になったところで順位を上げていく。残り2周を切った1コーナーで前を走る選手が転倒。そこからは前述の通りの展開となった。
2022 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第1戦
SUPERBIKE RACE in MOTEGI
栃木県・モビリティリゾートもてぎ(1周=4.801379km)
4月2日(土)予選:8番手(1分53秒400 )
3日(日)決勝:2位
小山知良コメント
「タイヤマネジメントには自信があったので、レース終盤が勝負だと思っていました。残り5周でみんな厳しい状況なのが分かったので、前に出ていきました。最終ラップの90度コーナーは、仕掛けようと思えばいけましたが、ミスする可能性も高かったですし、後ろからも数台来ていましたから、今回は2位でゴールすることを選びました。最低限の仕事はできたと納得しています。日本郵便さんを始め、多くの皆さんの応援が励みになりました。ありがとうございます。次戦こそ勝てるように事前テストから取り組んでいきます」
2022 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第4戦
SUPERBIKE RACE in SUGO
宮城県・スポーツランドSUGO(1周=3.6211km)
6月4日(土)予選・レース1 5日(日)レース2
レース1 予選:5番手(1'30"956)決勝:優勝
レース2 予選:2番手(1'31"040)決勝:4位
小山知良コメント
「20年前からSUGOは鬼門でしたが、今回も女神の後に魔物が現れ、最後は女神が微笑んでくれました。レース1ではビッグバトルを制して今シーズン初優勝を飾ることができ、レース2はビッグクラッシュからチームのみんながマシンを修復してくれて走ることができ4位でゴールできました。今回獲得した13ポイントはチャンピオンシップを考えても大きいでしょう。後半戦も、さらに強い走りができるように全力でプッシュします。今回も多くの応援ありがとうございました」
全日本ロードレース選手権第4戦が宮城県・スポーツランドSUGOで開催された。小山の参戦しているST600クラスは、4月の開幕戦以来2戦目となるが、2レース制となっており、実質2戦分のポイントがつく重要なラウンドとなる。事前テストはもちろん、スポーツ走行にも赴いて万全の体制でレースウイークを迎えていた。
今回のハイライトは何と言っても日曜日のレース2だった。レース1では、かつてのチームメイトでもある羽田太河選手と開幕戦に続いてバトルを繰り広げトップでゴール。今シーズン初優勝を飾った。
レース2が行われた日曜日は、午前中に行われたST1000クラスで多重クラッシュが発生したため、タイムスケジュールが変更され、ST600クラスのスタート時間は、16時15分と1時間も遅くなり周回数も18周に減算されて行われることになる。
レースがスタートし、小山はフロントロウから2番手で1コーナーに入っていくが、4コーナーで1台にかわされ3番手につけていた。しかし2周目のバックストレートでブレーキをリリースした瞬間、直立状態から転倒。240km/hで放り出された小山はクラッシュパッドに激突。オープニングラップに転倒し、再スタートしたマシンから広範囲でオイルを漏らしてしまっており、小山は、このオイルにのってしまったのだ。小山以外にも転倒したライダーがいたため、すぐに赤旗が提示される。小山に大きなケガがなかったのは、不幸中の幸いだったが、マシンは大破してしまっていた。マシンを見た小山は、もしレースが再開されても修復は不可能だと絶望的な気持ちになっていた。
しかしチームはあきらめなかった。小山のマシンの到着を待っていたメカニックを始め、スタッフ総出で修復にかかる。そして17時35分から12周でレースは仕切り直しで行われることになる。マシンは、何とか走ることができる状態に修復されグリッドに向かうが、トレートは真っ直ぐ走らず、右コーナーは接地感がなく左コーナーは曲がらない状態だったが、みんなの想いがつまったバイクで“絶対にやってやる!”と気合いを入れる。
スタートするとトップ2台には、ついていけなかったが、3番手をキープ。身体の痛みに耐えながらも、バイクの状態を理解しながら、どう走らせるのが最適かを考えながら周回を重ねる。7周目に入るホームストレートで1台にかわされるものの、そのまま後続を抑え切り4位でチェッカーフラッグを受け、13ポイントを積み重ねることに成功したのだった。
最高のフィーリングからの誤算
日本ロードレース選手権は今回のオートポリスラウンドからシーズン後半戦に突入。小山にとってオートポリスは、相性のいいコース。ここ数年の勝率はかなり高い。鈴鹿8耐を終え、すぐにオートポリスの事前テストに参加。そのままレースウイークまで熊本に滞在して過ごしていた。
事前テストから足回りのセットをいろいろ試し、メカニック、サスペンションサービスと共に試行錯誤を繰り返し、なかなかいいフィーリングが出ず苦しんでいた。事前テストは天気も不安定だったが、レースウイークに入ると一転。金曜日は雲が多かったが、土曜、日曜は青空が広がり気持ちのいい晴天となった。
小山としては、公式予選で最低限2列目には並んでおきたいところだった。土曜日は晴れたことから路面温度も上がり決勝を見据えて足回りのセッティングを進めることを重視。昨年も、そうだったが、レース終盤に勝負できるように備えていた。タイムは、1分53秒803まで縮め5番手と狙い通り2列目までに並ぶことができていた。
迎えた決勝。小山は、好スタートを切り2番手で1コーナーをクリアし、トップをいくライダーを追う。マシンのフィーリングは、レースウイークで最高の状態に仕上がっており、自信を深めていた。しかし、1コーナーで接触転倒があったため赤旗が提示。レースは15周から10周に減算されて再スタートが切られることになる。ここでタイヤを新品に交換し、2度目のスタートが切られるが、マシンのフィーリングが全く変わってしまう。まるで氷の上を走っているようにグリップしない状態になっており、思ったようにペースを上げることがでいない。何とかマシンをコントロールし、5番手まで上がるが、最終ラップに転倒しそうになってしまい1つポジションを落としてしまうが、確実にゴールすることを選び6位でチェッカーフラッグを受けたのだった。
シリーズランキングでは、トップから9ポイント差の2番手。残り2戦で勝てば逆転できる数字だ。
2022 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦
SUPERBIKE RACE in KYUSHU
大分県・オートポリス(1周=4.674km)
8月27日(土)予選 28日(日)決勝
予選:5番手(1'53"803)決勝:6位
小山知良コメント
「レースウイークを通して足回りのセットに苦しんでいましたが、いろいろ試していきレースまでに、いいセットが見つかっていました。予選も2列目までに並ぶことができれば、オートポリスは1コーナーまでが長いのでポジションを上げられる自信があったので、予定通りに進んでいました。レースがスタートして2番手に上がり、マシンのフィーリングもレースウイークで一番いい状態だったので、勝ちを狙えると思っていたのですが、赤旗が出て、タイヤを変えて出ていったところ全く違うマシンに変わってしまい、氷の上を走っているようでした。厳しいレースになりましたが、原因を追及して次戦の岡山では勝てるように気持ちを切り換えます」
2022 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第7戦
SUPERBIKE RACE in OKAYAMA
岡山県・岡山国際サーキット(1周=3.747km)
9月17日(土)予選18日(日)決勝
予選:5番手(1'35"547)決勝:4位
小山知良コメント
「予選では、ずっと苦しんでいた一発タイムを何とか出すことができて、フィーリングもよかったのでレースが楽しみだったのですが、まさかの大荒れの展開になりました。雨のフィーリングもよかったので、いけると思っていたのですが、いざスタートしてみるとグリップが低く難しいコンディションでした。何とか転ばないようにチェッカーを目指し、最低限の仕事はできたと思います。チャンピオンシップは厳しい状況になりましたが、最終戦鈴鹿は勝ちだけを狙って攻めていきます!」
2022年シーズンも今回の岡山ラウンドを含め2戦。
チャンピオンシップを考えると暫定ランキングトップの荒川選手の前でゴールすることは必須。そのためにも勝利を狙うことだけを考えてチームと共に事前テストからマシンのセットアップを進めた。事前テストでは、多くの若手ライダーがコースレコードを上回るタイムを記録。小山も決して調子は悪くなかったが一発タイムがどうしても出なかった。岡山国際サーキットは、新しくできたシケインでのポジション取りが特に重要になるため、グリッドがいいほど有利になる。
公式予選では、かつて世界の軽量クラスで培った経験を生かし、前のライダーとの間合いを計算してタイムを出しにいき5番手タイムをマーク。2列目を確保している。ST600クラスの予選は何と16番手までコースレコードを更新。この著しいタイムアップは、4輪のラバーが路面にのり、ST600クラスのタイヤとマッチしたことが原因ではないかと小山は分析していた。
日曜日のスケジュールは、台風14号の接近のため、各クラス周回数を減算し、1時間前倒しで終わるように変更された。しかし、ST600クラスは、波乱の展開が待っていた。まず2周目に入った1コーナーで多重クラッシュが発生し赤旗中断。2度目のスタート直前に雨が降り始めるが、そのままレースは進行。しかし1コーナーで再び多重クラッシュが発生してしまい2度目の赤旗中断となる。その後、雨は降り続き、路面は完全にウエットとなる。そして10周でレースは争われることになる。雨は止んでいたが路面はウエット。ぶっつけでのウエットレースとなった。
小山は、好スタートを切りMCシケインまでに3番手に浮上。さらにポジションを上げていくが、グリップがよくなく思うようにペースアップできないでいた。それでも何とかマシンをコントロールし、3番手をキープしていた。しかし、ペースの速いライダーが追い上げてきたため、7周目にポジションを一つ落とし4位でゴール。
シリーズランキングでは、16ポイント差の2番手となり、逆転は厳しい状況となってしまったが、最終戦鈴鹿では、最高の走りで締めくくれるように全力で走るだけだ。