ラウンド | グランプリ名 | 決勝日 | 予選 | 決勝 | ランキング |
1 |
マレーシア ヒート 1 |
4/1,2 |
6 位 |
7 位 | 5 位 |
マレーシア ヒート 2 |
4 位 | ||||
2 |
タイランド ヒート 1 |
4/14,15 |
12 位 |
6 位 | 6 位 |
タイランド ヒート 2 |
7 位 | ||||
3 |
鈴鹿 ヒート1 |
6/3,4 |
3位 | 3位 |
5 位 |
鈴鹿 ヒート2 |
3位 | ||||
4 |
インドネシア ヒート1 |
8/12,13 | 4位 | 4位 | 5位 |
インドネシア ヒート2 |
3位 | ||||
5 |
インド ヒート1 |
9/23,24 |
2位 | 1位 | 3位 |
インド ヒート2 |
2位 | ||||
6 |
タイランド ヒート1 |
12/2,3 | 6位 | 3位 | 2位 |
タイランド ヒート2 |
1位 |
小山にとって2017年シーズンは、新たなチャレ ンジの年になる。アジアロードレース選手権 (ARRC)は、5年目となるが、クラスをSS600から AP250にスイッチ。フルモデルチェンジして登場 したHonda CBR250RRをライディングすることに なった。しかしデリバリーが遅れ、事前テストにも 参加できず、レースの前の週になって、ようやくマ シンが保安部品の着いた状態で到着。そこからメ カニックがマレーシアに先に入りベンチでエンジン の慣らしを行いジョホールサーキットでレーサー 仕様に仕上げるという突貫作業で何とか金曜日 のフリー走行に間に合わせてくれた。
金曜日は、3本フリー走行があり、1本目の走行 でシェイクダウンを行う。マシンを確認しながら、 まずは慣らしを行う。2本目から徐々にペースを上 げて行き、250の特性や走らせ方を把握して行 き、初日は1分46秒189がベストで12番手。土 曜日には、公式予選が行われ、狙い通り他車のス リップストリームを使い一気にタイムアップし6番手 に着けた。しかし、周りの速さが分かり、今回は厳 しいレースになることが予想できた。その中で、ど うすれば一つでも上位でゴールできるかを考え実 行して行った。 レース1は、直前に雨がポツポツ降り始め、不 安定な天候の下で始まった。小山は、好スタート を決めトップについて行くが、徐々に離され後方集 団に飲まれ7位でゴール。 日曜日に行われたレース2でも好スタートを決 め5番手で1コーナーをクリア。オープニングラッ プは、6番手で戻ってくる。4台による3位争いを 繰り広げ、レース中盤からは、山本選手と一騎打 ちとなる。ストレートで離されても、コーナーの進 入で一気に差を縮めて行く小山だったが、かわす ところまでは行けず僅差の4位。それでも一時 は、参戦することも危うい状況だっただけに、開幕 戦で残した7位/4位というリザルトがシーズンを 戦う上で重要な意味を持ってくるはずだ。
2017 アジアロードレース選手権
第1戦マレーシア ジョホールサーキット AP250クラス
4月1日(土)予選6番手(1分44秒548) RACE1:7位 晴れ 路面:ドライ
2日(日) RACE2:4位 晴れ 路面:ドライ
小山知良 コメント
「本当にハードで厳しいレースウイークでしたが、スタッフの頑 張りのおかげでレースができ、しっかりポイントも獲得できまし た。実際、着いていくだけで精一杯の状況でしたが、ここから は、上に上がって行くだけです。次戦まで余り時間がありませ んが、今できることを精一杯して、第3戦鈴鹿以降で勝負でき るようにしていきたいと思っています。ぜひご期待ください」
2017 アジアロードレース選手権
第2戦タイ チャンインターナショナルサーキット AP250クラス
4月14日(金)予選12番手(1分55秒509) RACE1:6位 晴れ 路面:ドライ
15日(土) RACE2:7位 晴れ 路面:ドライ
小山知良 コメント
「今回も短いインターバルの中、チームが頑張ってくれました が、現状では予想以上の厳しいレースとなりました。時間のな い中、ハンドルを製作していただいたベビーフェイスさんのお かげで、よりよいポジションでレースをすることができました。 本当にありがとうございます。悔しいレースが続いていますが、 この悔しさを晴らすためにも、次回の鈴鹿には、チームと相談 しながら最善を尽くしたいと思っています」
予想以上の苦戦も
全力を尽くした結果
アジアロードレース選手権(ARRC)第2戦がタイ ・チャンインターナショナルサーキットで開催され た。この時期のタイは、一番暑い“暑季”と呼ばれ 厳しいコンディションの中でのレースとなった。開 幕戦マレーシアから中一週間で迎えただけに、時 間のないなか、少しでもマシンをよくしようとチー ムは全力を尽くしてくれた。また、以前から小山の レース活動をサポートしてくださっているベビーフ ェイスさんが急きょハンドルを製作してくださり、 今回は、よりレーサーらしいポジションが可能とな った。 ちょうどソンクランというタイの水かけ祭があり、 木曜から土曜の開催となった第2戦。初日のフリ ープラクティスから走り始めるが、セクター1に長 い2本のストレートがあり、ここでライバルに遅れ を取ることは明白だった。ある程度は予想してい たものの、その差は、想定以上だった。 金曜日は、公式予選とレース1が行われた。予 選で小山は、タイムアタックのタイミングを伺って いたが、ライバルも同じように出方を読んでいた。 結局、ポジション取りがうまく行かず12番手と悔 しい結果となってしまう。ただ、現状では、1分55 秒5というのが一つの壁になっていた。
レース1は、10周で行われた。小山は、好スタ ートを決めオープニングラップで7番手までポジ ションを上げ、さらに前を追って行く。だが、ストレ ートで簡単にライバルにかわされてしまう。それを コーナリングで追い付き、ブレーキングで抜き返す というレースを今回も繰り広げる。トップ争いには、 引き離されてしまったものの5位争いを展開。10 台近くにふくれ上がった集団を常にリードしていた が、1台にかわされ6位でゴール。 土曜日に行われたレース2もセカンドグループで のバトルとなった。最終ラップの最終コーナーへは 5台がなだれ込んでいく展開となった。小山は、 ブレーキングで前に出るが、アウトからかぶしてき たライダーと軽く接触。加速が鈍ったところを2台 にかわされ悔しい7位となった。
日本ラウンドでつかんだ
2つの表彰台
2017年アジアロードレース選手権(ARRC)のシリー ズ第3戦は、日本ラウンドを迎えた。
舞台となるのは、 三重県・鈴鹿サーキット。これまで様々なカテゴリーで 走ってきた小山だが、CBR250RRで走るのは、もちろ ん今回が初めて。第2戦タイから約一カ月半のイン ターバルを使い、他の車両だが、鈴鹿でテストを行い、 少しでもライバルとのマシン差を縮めるため、現状で できる限りのことを施してレースウイークに突入した。 金曜日のプラクティス1では、2分31秒234をマー ク。トップとのタイムさはあったもののポジションは3番 手と、序盤の2戦では、なかったポジションにつけた。
プラクティス2で、さらにタイムを縮め2分30秒218で 2番手。プラクティス3では、マシンセットを進めて行き タイムは更新できなかったが、初日は総合でも3番手 につけ、着実に序盤の2戦よりも力をつけてきていた。
土曜日の朝に行われた公式予選では、セッション序盤 にタイムアタックを敢行。2分29秒778までタイムを詰 めると、ピットインし、マシンを温存。セッション終盤に コースインし、マシン状態の確認とスタート練習を行っ た。
1周約5.8kmの鈴鹿サーキットを8周で争われた決 勝レース。レース1では、スタートでやや出遅れるもの の、すぐに挽回。オープニングラップからトップ争いを 繰り広げて行く。3周目のコントロールラインは、トップ に立つが、ライバル2台に簡単にストレートでかわされ てしまい、差をつけられてしまっていた。小山は、1コー ナーへのレイトブレーキングで一気に差を詰め、アウト からライバルに並びかけて行く。その後、トップグルー プは5台となるが、1台が転倒で脱落。4台によるバト ルが続き、小山は4番手でファイナルラップに突入す る。3番手のライダーにギリギリ接近しながらチャンス を伺うが、ストレートで簡単に離されてしまう。それでも ブレーキングとコーナリングで差を詰める小山は、 130Rで3番手に浮上。そのまま3位でゴールし、今季 初めて表彰台に上がった。
レース2も同じく5台のトップ争いとなり、最終ラップま で激しいバトルが続いて行く。バックストレートでスリッ プストリームの使い合いから、130Rで2番手に上がっ た小山は、シケインのブレーキングで一気にトップを狙 う。しかし突っ込み過ぎてしまい2番手でシケインを立 ち上がるが、スピードが乗らずギリギリ1台にかわされ てしまい3位となった。
2017 アジアロードレース選手権第3戦日本 三重県・鈴鹿サーキット AP250クラス
6月3日(土)予選3番手(2分29秒778)RACE1:3位 晴れ 路面:ドライ
4日(日) RACE2:3位 晴れ 路面:ドライ
小山知良 コメント
「レース1よりレース2の方が、レース内容はよかったと思います。何 とかついて行くのがやっとの状態でしたが、最後のシケインでは、何 とか勝負したのですが、距離があったので厳しかったですね。それ でも2戦連続で表彰台に上がることができたのは、大きな進歩だと 思います。課題となっている部分も明らかですし、改善して行けるよ うチームと一緒に努力して行こうと思っています。今回も多くの応援 ありがとうござました」
三重県 鈴鹿サーキット(1周=5.821km) 予選:12番手(タイム:2分09秒450)
決勝:6位(212周)
天候:7月27日(木)曇り 路面:ドライ 7月28日(金)晴れ 路面:ドライ 7月29日(土)晴れ 路面:ドライ 7月30日(日)曇り 路面:ドライ 観客動員数(4日間合計):128,000人
決勝日は、曇り空の下でのレースとなった。気温 は、それほど上がらなかったが、まとわりつくような 高い湿度は、ライダーの体力を奪って行く。スター トライダーは山口選手が務め、雨の降る不安定な コンディションの中、一時は4番手まで上がる走りを 見せる。そのたすきを受けた小山も安定した走りを 見せポジションをキープ。マシンは決勝で一番いい 状態になっており、コーナーでの自由度も高かった。 何よりエンジンが走っており、小山の走行のときに 305.5km/hの最高速を記録。耐久レースを戦う 上でライダーをサポートしてくれる要素になってい た。その後、山口選手、岩戸選手も安定した走りを 見せ、最後のスティントを小山が担当。前にいる野 左根選手を追い上げる走りを見せ5位争いを繰り広 げる。バックマーカーも多くリスクもあったため、勝 負するところまでは行けなかったが、この走りに大 いにチームは盛り上がった。小山は、着実にチェッ カーフラッグを受け、チームの6位入賞に貢献した のだった。
小山知良 コメント
「自分自身の最低限の目標であった“ノーミスで走り切 ること”をこなせたのでホッとしました。バイクは、最高の 状態でしたし、山口選手、岩戸選手とチャレンジした鈴 鹿8耐は、有意義なものでした。プライベーターでは、 最上位となる6位でゴールすることができたのは、チー ムの頑張り、応援してくださった皆さんのおかげです。本 当にありがとうございました
プライベーター最高位の
6位に入賞!!
小山にとって3年連続3度目の鈴鹿8時間耐久が 無事に終わった。結果は過去最高の6位入賞という ものだった。
2017年は、Honda Dream Racingか らエントリー。チームの母体となるTOHO Racingの 山口辰也選手、8耐初参戦となる若手の岩戸亮介 選手と組んでの参戦となった。 過去2年と決定的に違うのは、小山自身がARRC SS600からAP250に主戦場が変わったことだ。 250ccから1000ccへの乗り換えは、さすがにハー ドルが高く、7月上旬から始まった事前テストを前に 600ccを走らせて備えていた。
今年、モデルチェンジしたCBR1000RR SP2は、 マシンのセットアップに苦戦していたが、事前テスト でも転倒があり、マシンのパーツが間に合わない部 分もあった。そこは、チームが昨年のパーツで補い 、マシンセットを進めていた。 レースウイークにギリギリ間に合ったパーツもあっ たが、マシンは初日からトラブルなく走ってくれた。 予選は、今年から3人(登録が2人のチームは2人) の平均タイムで争われることになっており、一人だ けがタイムを出せばいいわけではない。タイヤ本数 制限もあり、どのライダーが、どのセッションでタイ ムを出すのかも考えながら予選に臨むことになる。 各ライダー、20分のセッションが2本で争われた 公式予選。ライダーブルーの小山は、最初にコース イン。タイヤのいい状態のうちにタイムを出しておこ うとアタックを敢行。セクター1、セクター2と自己ベ ストを更新する走りで西コースに入り、130Rからシ ケインに入ってきたときに赤旗が提示されたためア クセルを戻す。その状態でコントロールラインを通 過すると2分09秒5というタイム。このタイムは抹消 されてしまったが、もし赤旗がなければ2分08秒台 に入っていたかもしれない。その後、アタックした小 山は、2分09秒704がベスト。岩戸選手、山口選 手も好タイムをマークするが、平均タイムは2分09 秒450となり順位は惜しくも12番手。10番手とは 僅かな差だっただけに、小山の赤旗でのタイム抹 消がなければトップ10トライアルに進出できていた はずだ。
約2カ月のインターバルで迎えたアジアロードレー ス選手権(ARRC)シリーズ第4戦インドネシア。ここ を250で走るのは、もちろん初めてだが、Honda Dream Racingから鈴鹿8耐に出場したばかりの小 山は、1000ccから250ccへの乗り換えからセッシ ョンをスタート。すぐに順応し、チームが用意してく れた変更項目の確認を行いながらマシンをセットア ップして行き、初日は2本目にマークした1分44秒 137がベストタイムとなった。3本目では、仕様違い のエンジンを試しながらも最後にアタックする予定も あったが、赤旗でセッションが終わってしまったこと もありアタックせずに終わっていた。それでも予選、 決勝に向けては順調に進んでいた。 30分1セッションで行われたAP250クラスの公式 予選。ここで小山は、他車に引っかかりながらも1分 43秒747をマーク。5番手となったが、ペナルティ で降順となったライダーがいたため、予選グリッドは 4番手となった。 路面の舗装がよくないサーキットとして有名なセ ントゥール。小山のマシンも僅か1セッション走っただ けで、エアクリーナーボックスが砂だらけになってい るほどだ。12周で争われた決勝。レース1では、トッ プのライダーが逃げてしまい小山は、2位争いを展 開。最後まで前に出るチャンスを伺ったが惜しくも4 位となっていた。 レース1を終え、やはり仕様違いの、もう一つのエ ンジンがいいということになり、メカニックは、3度目 のエンジン交換を敢行。小山も、その頑張りに応え るべくレース2に臨んだ。小山は、好スタートを見せ ると4台によるトップ争いを展開。何度かトップに立 つ場面もあったが、勝負ポイントを絞り最終ラップに かけていた。エンジンを交換したことも功を奏してい たが、ホームストレート、2コーナーから3コーナーま でのストレートが追い風だったことも大きかった。ラ イバルのスリップストリームを使い、小山は、3コーナ ーブレーキングで一気に2台をかわし狙い通りトップ に出る。しかし4コーナーを立ち上がりシケインのブ レーキングに入る手前で2台にかわされてしまい3番 手にポジションダウン。その後、抜き返すポイントは なく僅差の3位でチェッカーとなった。
2017 アジアロードレース選手権第4戦インドネシア セントゥールサーキット
AP250クラス
8月12日(土)
予選4番手(1分43秒747) RACE1:4位 晴れ 路面:ドライ
13日(日) RACE2:3位 曇り 路面:ドライ
小山知良 コメント
「レース1では、ライバルに対し勝負することができませんでし たが、レース2では、チームの頑張り、そして向かい風の恩恵 を受けてトップ争いができました。レース内容では、今シーズ ン1番のものでしたし、次戦に向けて、さらに差を詰めて優勝 を目指して行きたいと思っています。応援ありがとうございまし た」
2017 アジアロードレース選手権第5戦
インド マドラスモーターレーストラック AP250クラス
9月23日(土)
予選2番手(1分49秒529 )
RACE1:優勝 晴れ 路面:ドライ
24日(日)
RACE2:2位 雨 路面:ウエット
小山知良 コメント
「皆さん、お待たせしました。ようやく勝つことができました。今回 は、勝ちを狙えると思っていましたし、初日からいい流れに乗るこ とができました。レース2は、難しいコンディションの中、最後まで トップを追ったのですが届きませんでした。ただ現状ではベストを 尽くせたと思いますし、ランキングも上がったので、よかったと思 います。Honda様、スポンサー各位様、チームスタッフ、ファンの 皆さんのおかげで勝つことができました。次戦は、最終戦になりま すが、変わらず応援の程、よろしくお願いいたします」
アジアロードレース選手権(ARRC)シリーズも今回 のインドラウンドを含め残り2戦。マドラスモーター レーストラックは、4年振りの開催となるコース。小山 は、600ccで走った経験はあるが、Honda CBR250RRで走るのは、もちろん初めて。コースレ イアウトは分かっているだけに、イメージを高めなが ら現地に入った。フラットで切り返しの多いコースは、 最終戦の舞台となるタイ・チャンインターナショナル サーキットに比べればテクニックの差が出るコース。 マシンのアップデートはなかったが、今回は、勝つ チャンスがあると見ていた。 初日は、いつも通り3本のプラクティスが行われ た。1本目はハーフウエット。慎重にペースを上げ、2 本目では、トップタイムをマーク。3本目は、他のライ ダーのマークがきつかったことと、予選を見据え単 独で走行。タイムは、2本目とほぼ変わらなかった が、土曜日に向けて、いい手応えを感じていた。 公式予選では、狙い通り単独でアタックを敢行し、 1分49秒529をたたき出し2番手と今シーズンベス トグリッドを獲得。フロントロウ真ん中からスタートを 切ることになった。 12周で争われたレース1。小山は好スタートを切る ものの1コーナーは2番手。オープニングラップで トップに立つと、そのままレースをリードして行く。序 盤は、5台がトップグループを形成していたが、小山 がペースを上げるとふるいにかけられたように、1 台、また1台と脱落して行く。小山について来ること ができたのは2台。レース中盤にホームストレートで かわされ2番手に下がるものの、コースの最終セク ターにある切り返しで、鮮やかに抜き返しトップに立 つと、そのままチェッカーフラッグを受け、AP250ク ラス初優勝を飾った。 レース2は、直前に雨が降りグリッドでレインタイヤ に交換。コースのコンディションもさることながら AP250のレインタイヤを履くのは初めてのこと。ス タート直後は、2番手につけるが慎重にならざるを得 なかった。それでも後続は抜いて来ることはなく、小 山はトップのライダーを追う。その差は、徐々に縮ま りラストラップには、1秒を切ったものの、かわすまで には至らず2位でゴール。暫定ランキングでは、2番 手に1ポイント差の3番手に上がり、最終戦に臨むこ とになった。
最終戦レース2を制し、シーズン2勝目を挙げランキング2位
アジアロードレース選手権(ARRC)SS600クラスから AP250クラスにスイッチして戦ってきた2017年シー ズンもタイ・チャンインターナショナルサーキットでシ リーズ最終戦を迎えた。このコースは、4月の第2戦以 来となるが、そのときに比べればマシンはアップデート されており、長いストレートでも十分戦闘力を発揮して いた。僅かにタイトル獲得の可能性を残していたが、
普通に行けばレース1で決まるポイント差だけに、自分 自身のレースを今回もいつも通りにするだけだった。 今回は、木曜日からレースウイークが始まった。初日 にプラクティスが2本、金曜日にプラクティスが1本と 公式予選、土曜日にレース1、日曜日にレース2という スケジュール。小山は、今回も大きなセット変更はな く、着実にタイムを縮めて行く。天気は安定して晴れて
いたが、風が強く、スリップストリームを使うと使わない とでは大きく違っていた。公式予選では、多くのライ ダーが小山をマーク。けん制し合いながら周回する が、まずは前に出てタイムアタックに入る。結果的に他 のライダーを引っ張ることになってしまったが、単独で 出したタイムで6番手。アベレージもよく、決勝に向け ての仕上がりは上々だった。 10周で争われたレース1。好スタートを見せた小山
は、オープニングラップで2番手に上がり、サルムン選 手と一騎打ちのトップ争いを展開。これに後方からレー ザー選手が追い付き三つ巴の争いとなる。何度も順位 を入れかえながら最終ラップまでバトルは続く。最終 コーナーのブレーキング勝負かと思われたが、その手 前の加速で置いて行かれてしまい万事休す。勝負でき ずに3位という悔しい結果となってしまっていた。
レース1の結果を受け、レース2に向けてミーティング を行いコンディションに合わせたアジャストを行う。そし て日曜朝のウォームアップでは、マシンの状態はもちろ ん、ブレーキングポイントを確認するなどレースを見据 えた走りをしてレース2を迎えていた。 レース2でも好スタートを決めた小山は、積極的な 走りでトップに浮上しペースを上げる。このペースにつ
いて来られたのは、サルムン選手のみ。オープニング ラップから一騎打ちのトップ争いが繰り広げられた。迎 えた最終ラップ。小山が先行し、運命の最終コーナー を迎える。ハードブレーキングを見せる2人のライ ダー。小山のインにサルムン選手が入ってくるが、 ウォームアップで線引きができていた小山は、コーナー 立ち上がりでスピードを乗せゴールライン直前で前に
出てトップでチェッカー! 今シーズン2勝目を挙げ、ラ ンキング2位で2017年シーズンを終えた。
2017 アジアロードレース選手権第6戦タイ チャンインターナショナルサーキット AP250クラス 12月2日(土) 予選6番手(1分54秒409) RACE1:3位 晴れ 路面:ドライ
3日(日)
RACE2:優勝 晴れ 路面:ドライ シリーズランキング:2位
小山知良 コメント
「レース1でもベストを尽くしましたが完敗でした。しかし、今 シーズン最後のレースをどうしても勝って終わりたかったの で、チームと話し合って確固たる決意を持ってレース2に臨み ました。最終ラップの最終コーナーは、作戦通りでしたね。お 互いに限界ギリギリでしたが、うまく前に出てゴールできてよ かったです。シーズン2勝を挙げるのは久しぶりですし、ランキ ングも同ポイントながら勝率で2位に浮上することができまし た。今シーズンもたくさんのご支援ご声援、本当にありがとうご ざいました」