Race Result


2018 年 全日本ロードレース選手権

 

ラウンド グランプリ名 決勝日 予選 決勝 ランキング
1

ツインリンクもてぎ

 

4/7

4 位

優勝 1位 
2

スポーツランド SUGO

 

6/16  5位  4位 2位 
3 筑波サーキット 6/30   2位 2位   2位
7/1 5位 2位 
4 オートポリス 8/31   3位   1位  1位
9/1
5

岡山国際サーキット

 

9/30 4位   中止 1位 
6

鈴鹿サーキット

 

11/4  1位  10位  2位

Race Report

Round1 ツインリンクもてぎ


チームメイト同士のバトルを制し開幕戦を制す!

ここ数年は、アジアロードレース選手権 (ARRC)を主戦場としていた小山だが、2018年 シーズンは、ARRC SS600クラスと全日本ロード レース選手権ST600クラスに盟友・手島雄介率い るT.Pro Innovationが運営する日本郵便Honda Dreamからフルエントリー。両シリーズでチャン ピオンを狙って行く。

久しぶりの全日本、同じCBR600RRだが、ARRC とはサスペンションメーカーもタイヤメーカー も変わるため、全く違うマシンに乗っているの と同じ状況だった。

事前テストは天候に恵まれず、ほぼ走れず終 い。一度だけスポーツ走行に行き、まずまずの タイムは出たが車体の方向性は、全く決まら ず、ブリヂストンの溝付きタイヤにも慣れない ままレースウイークを迎えていた。

木曜日の特別スポーツ走行から始まったレー スウイーク。初日、2日目と順位自体は悪くな かったが、セッション毎に大幅にマシンセット を振りながら方向性を探っていた。

公式予選は、雨は止んでいたもののウエット パッチが残るコンディション。チェッカーラッ プにベストタイムをマークし4番手と、まずまず のグリッドを確保する。

日曜日は朝から青空が広がりドライとなっ た。朝のウォームアップ走行ではチームメイト の國峰選手が速く、小山は4番手となっていた。

18周で争われた決勝レース。小山は、スター トダッシュを決めると2番手で1コーナーに入っ て行く。さらに2コーナーを立ち上がり、3コー ナーの手前でトップに浮上するとレースをリー ド。3周目には案の定、國峰選手が2番手に上が り日本郵便Honda Dreamが1-2体制を築く。小山 は、走りながらマシンや走り方の理解を深めて 行く。そして10周目の5コーナーで國峰選手が抜 いてくるが、小山もピタリとマーク。國峰の ペースに同調すると17周目の90度コーナーで トップに浮上し、最終ラップにトップで入って 行く。そして最後のビクトリーコーナーで國峰 選手が仕掛けてくるが、立ち上がり加速で抜き 返し0.038秒差で勝利を勝ち取ったのだった。

2018 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第1戦

栃木県・ツインリンクもてぎ

ST600クラス 4月7日(土)予選:4番手(2分03秒247)

8日(日)決勝:優勝

小山知良 コメント

 「久しぶりの全日本で勝つことができて、うれしいで す。チームメイトの國峰選手が本当に速く、何とか抑え ることができました。アジア選手権とはサスペンション もタイヤも違いますし、事前テストから天候が安定せ ず、車体セットに苦戦していました。路面温度も低かっ たのですが、トライアルでトレーニングしていたおかげ でタイヤをグリップさせることもできました。また優勝 を報告できるよう頑張りますので応援よろしくお願いい たします」




2018 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第4戦 SUGO

宮城県・スポーツランドSUGO

ST600クラス 6月16日(土)予選:5番手(1分32秒852)

17日(日)決勝:4位

小山知良 コメント

「今回はフロントを詰め切れていなかったので、チャンピオン シップを考えてリスクを最小限に抑えました。初日の雨が残念 でしたね。ドライであれば、もっとセットを詰められたはずです から。その中で車体は、いい方向に仕上がって来ていると思い ますし、課題は見えて来ているので、そこを改善して、次戦の 筑波ラウンドは、ダブルウインできるように全力を尽くします。 引き続き応援よろしくお願いいたします」

Round2 スポーツランド SUGO


チャンピオンシップを見据えた我慢のレース

開幕戦ツインリンクもてぎで勝利して 以来、約2カ月のインターバルで2戦目の SUGOラウンドが開催された。この間、 小山は、アジアロードレース選手権 (ARRC)を2戦こなしていた。2週間前 に行われた事前テストは、ARRC鈴鹿ラウ ンドと重なったこともありキャンセル。5 月上旬にスポーツ走行でテストを行い、 フィーリングはまずまずと言ったところ だった。

レースウイーク初日は、冷たい雨に見舞われる。 その中でも、車体のセットは、いい方向に進んでい ることを確認。土曜日が雨となることも予想され たため、雨でのセッティングを進めて行った。

土曜日は、雨はほとんど止んだものの、ウエット 路面から他のクラスが走り始める。ST600クラス のころには、ほぼドライコンディションとなっていた が、所々にウエットパッチは残っていた。さらに開始 早々に雨がパラつき始める難しい状況となってい た。小山は、予定通りセッション終盤にアタックし、 5番手までポジションを上げたところでチェッカー が振られる。

日曜日も気温は上がらず肌寒い一日となった が、天気は、何とかもちドライコンディションでの レースとなった。

好スタートを切った小山は、3番手で1コーナーに 入るが、オープニングラップは、チームメイトの國 峰選手にかわされ4番手で終える。4周目には、 南本選手をかわし3番手、8周目には、國峰選手 がオーバーランしたすきに2番手に浮上する。トッ プを走る岡本選手を追うことは、今回は厳しいと 判断した小山は、4台による2位争いをリードして 行く。パッシングポイントを何とか抑えていたがフ ロントのセットを今ひとつ詰め切れていなかったこ ともあり終盤に2台にパスされてしまう。抜き返す こともできたかもしれないが、シーズン全体を考 え、無理をして転倒・ノーポイントということだけ は、したくなかった小山は、4位でゴールすること を選択したのだった。



Round3 筑波サーキット


限りなくベストに近い筑波で得た二つの2位

SUGOラウンドから2週間後に行われた筑波 ラウンド。その間、参加者向けの特別スポー ツ走行があり、そこで小山は、初めて筑波で ST600マシンを本格的に走らせた。GP125、 GP250では優勝経験もあるが、4ストローク 600ccは、全く違うため、ライン取りやブレー キングポイント、アクセレーションのポイントを 探りながら走り始めるところからスタートした。 レースウイーク初日は、梅雨明け宣言が出さ れ、猛烈な暑さに見舞われた。小山は、日頃 からのトレーニング、そしてアジアロードレース 選手権(ARRC)を戦っている経験から暑さ は、それほど苦にならなかったが路面温度が 急激に上がったことで初日の1本目には、不 可解な転倒もあった。そこからタイヤの内圧 を調整し、足回りのセットを詰めて行った。

今回は2レース制となっており、土曜日に予 選とレース1、日曜日にレース2というスケ ジュール。2レース制は、ARRCで慣れてお り、小山にとって全く問題ない。いつも通り集 中力を高めて臨むだけだった。公式予選は、 レース1はベストタイムで2番手、レース2は、 セカンドタイムで5番手と言う結果となった。 レース1は、好スタートを見せ2番手で1 コーナーをクリア。そのままトップを走る長尾 選手のテールをマークして行く。長尾選手の 走りを後ろから見ていると“筑波を走り込んで いる”と小山は感じた。ジリジリと離されるが、 後続とも差があったためプレッシャーをかけな がら余計なリスクを避け2位でゴール。

レース2は、2列目から好スタートを切り3番 手につけると、7周目に2番手に上がりトップ を走る選手を追う。しかし2番手に上がる際、 タイヤを使ったためか、第1ヘアピンであわや 転倒というハイサイドに遭ってしまう。何とか 立て直し2位をキープし、チェッカーフラッグ を受けたのだった。

2018 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第5戦 in 筑波 茨城県・筑波サーキット(1周2.070km)

6月30日(土) 予選・レース1 天気:晴れ コース:ドライ 7月1日(日) レース2 天気:晴れ コース:ドライ

ST600クラス RACE1 予選:2番手(タイム:58秒882)決勝:2位 RACE2 予選:5番手(タイム:59秒181)決勝:2位

小山知良 コメント

「今回もチャンピオンシップを考え、転倒、ノーポイントは、絶 対に避けた結果2位2回となったので満足しています。ポイン トランキングもトップと3ポイント差なので上出来だと思いま す。次戦のオートポリスラウンドも2レース制なので、巻き返せ るようにしたいですね。その間、鈴鹿8耐、ARRCインドラウンド があるので全力で走ってきます」



2017-2018 FIM世界耐久選手権シリーズ(EWC)最終戦 “コカ・コーラ ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第41回大会

三重県 鈴鹿サーキット(1周=5.821km)

予選:40番手(タイム:2分13秒815) 決勝:20位(189周) 天候:7月26日(木)晴れ 路面:ドライ   

7月27日(金)晴れ 路面:ドライ    

7月28日(土)曇り 路面:ドライ    

7月29日(日)晴れ 路面:ドライ・ウエット

観客動員数(4日間合計):111,000人

小山知良 コメント 「最後のスティントは、ボクがペースを上げれば前に追いつく 計算でしたが、夕方になると、なかなか路面が乾かない部分 があり、リスクもありましたが、ここは勝負というところだったの で頑張りました。決勝で初めてニュータイヤを履きましたが、 チームベストの2分12秒6も出ましたし、無転倒で終えられて よかったです。何よりチームに2019年鈴鹿8耐の参戦権をプ レゼントできたことが、うれしいですね。チーム、そして応援し てくださった皆さんに感謝いたします。ありがとうござました」

コカ・コーラ ”鈴鹿8時間耐久  ロードレース 第41回大会


最後のスティントで追い上げ

来年の出場権を獲得!

 2年振りに上田昇監督率いるTEAM FRONTIER から鈴鹿8耐に参戦した小山。一塊のプライベー トチームは、トライアウトのレースで転倒し、マシン がダメージを受けていた。主催者推薦で何とかエ ントリーすることができたが、事前テストからマシ ンは一からセットアップしなければならなかった。 チーム側からは、とにかく転倒しないように走って 欲しいという注文が出ていた。ライダーは、大木 選手、岩田選手という気心知れた面々ということも あり、3人で話し合い、マージンを取りながらアベ レージタイムを上げて行く方向でマシンセットを進 めて行った。   事前テストから基本的に小山は、新品タイヤを 履かず、ユーズドタイヤで通し、大木選手と岩田 選手に新品タイヤを任していた。公式予選でも余 計なリスクを負わないためにも、2セッションのうち 1本のみ走る選択をしていた。予選グリッドは、 ル・マン式スタートの耐久レースだけに、スプリン トレースほど重要ではないからだ。   台風12号は、東から西へ進む異例のルートで 鈴鹿に接近してきたが、決勝日の朝までには、西 へ抜けたが、その影響が懸念されていた。スター ト前進行では青空が出ていたが、グリッドに並ん でいるうちに雨が落ち、路面はウエットとなって行 く。スタートライダーは、岩田選手が務め、落ち着 いた走りを見せる。雨は止んでおり日も出てきて いたため、路面は乾いて行き、レインタイヤでは 厳しい状況となると、早めにピットイン。小山にラ イダーチェンジし、ピットアウトして行く。   その後、アクシデントやオイル処理でセーフ ティーカーが入る荒れた展開となるが、3人とも 着実に周回を重ねる。そして小山の最後のスティ ントに出て行く時点で24番手。来年の出場権を 獲るためには20位以内でゴールしなければなら ない。小山は、夕闇迫る中、最後の力を振り絞り 残り7分というところで20番手に浮上!  そのまま チェッカーフラッグを受け20位でゴール。出場権 を獲得し、ダンロップ市販タイヤ最上位に与えら れるDIT賞も受賞した。



Round4 オートポリス


チーム一丸となって、つかんだ今季2勝目!

  全日本ロードレース選手権シリーズは、第7戦を 大分県・オートポリスで迎えた。小山の参戦して いるST600クラスは、6月末の筑波ラウンド以 来、約2カ月ぶりの開催となり、筑波ラウンドに続 き、今回も2レース制で行われる予定だった。  しかし、レースウイークに入っても濃霧による視界 不良、そして強い雨に見舞われ、金曜、土曜と満 足に走ることができなかった。特に土曜日は、午 前中の予定がキャンセルされ、レース1も中止。 午後に各クラスの予選のみが行われることに変更された。  

  公式予選が始まるころには、雨は止んでおり晴 れ間も見えていたため、ドライタイヤで出て行くラ イダーもいた。しかし、路面はヘビーウエットだっ たため、ここはタイトル争いを最優先し、余計なリ スクを負うよりもライバルの動向を確認し、レイン タイヤでコースインして行く。セッション終盤によう やく路面は乾いて来るものの、レインタイヤのまま アタック。最後に雨がパラついて来たものの2分 01秒813を出し、3番手とフロントロウに着けた。    日曜日は、打って変わり快晴に恵まれた。レー ス進行が始まると小山は、サイティングラップに 真っ先に出ると、一度ピットイン。セットを変更し、 グリッドに向かった。事前テストからドライコンディ ションでの走行時間が絶対的に少ない中、多くの ライダーがセットが決まらないまま決勝を迎えて いるのは明らかであり小山も例外ではない。その 中で少しでも多くの情報を集めるために、レース が始まるギリギリまでセッティングを追求した。    スタートを決め2番手につけ序盤は、バイクや周 りの状況を確認する。チームメイトの國峰選手が トップに立つと小山も長尾選手をかわして2番手 上がると、8周目の第2ヘアピンでトップに浮上す る。これに呼応するようにタイトルを争う岡本選手 もポジションを上げて来る。レース終盤は、岡本選 手、國峰選手と三つ巴のトップ争いとなり、最終 ラップを迎える。小山は、2番手につけ、第2ヘア ピンへのブレーキングで狙い通りに前に出て チェッカー! 今シーズン2勝目を挙げ暫定ランキ ングトップタイで残り2戦に臨むことになった。

2018 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第7戦

MFJスーパーバイクレース in 九州 KYUSHU MOTORCYCLE FESTA 2018 大分県・オートポリス(1周4.674km)

観客動員数 5550人(2日間合計)

ST600クラス 9月1日(土)予選:3番手(2分01秒813)     

2日(日)決勝:優勝

小山知良 コメント 「レース中は、すごく落ち着いて走ることができました。きっと 天国の祖母が見守ってくれていたんだと思います。ドライコン ディションでの走行が少ない中、チームも全力でバックアップ してくれたので勝つことができたと思います。次回は、5年振り となる岡山国際サーキットでのレースですが、事前テストか ら、しっかりマシンを仕上げて、2000年以来、18年振りの全 日本チャンピオンを目指して行きたいと思っています」



2018 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第8戦

スーパーバイクレース in OKAYAMA

岡山県・岡山国際サーキット(1周3.703km)

観客動員数 2240人(土曜日)

ST600クラス 9月29日(土)予選:4番手(1分41秒045)     30日(日)決勝:中止

 小山知良 コメント

「決勝レースがないのに予選を走らなければいけないこ とは、疑問でしたが、行かなければならい状況なら行く しかないでしょう。結果的に1ポイントリードすることが できましたし、最終戦は、前でゴールした方がチャンピ オンというシンプルな状態になりました。今シーズン は、最終戦までチャンピオン争いをするという目標を立 てていましたがランキングトップで迎えることができま す。これまでは、タイトル争いのことを考えてリスクを 抑えてきましたが、最終戦なので、とにかく全力でタイ トル獲りに臨みます。応援よろしくお願いいたします」

Round5 岡山


台風の影響でレースが中止に。ランキングトップで最終戦へ

全日本ロードレース選手権第8戦が岡山 県・岡山国際サーキットで行われた。ここを ST600クラスで走るのは、初めてだが、2週 間前に事前テストが行われ、そこでフィーリ ングをつかむことはできていた。ただ、コン ディションは、ドライとウエットがあり、敢 えてウエットは走らずに事前テストを終えて いた。  秋晴れに恵まれたレースウイーク初日。小 山は、1本目に事前テストとは違うセットを 試し、1分34秒470をマークしトップタイム となるが、望んでいた方向性とは違ったた め、元に戻し2本目に臨むと1分34秒146まで タイムを短縮しトップをキープ。土曜日から 雨となるのは分かっていたが、最終戦鈴鹿 に、この日の走行が生きてくるはずだ。  台風24号の接近でレース開催が危ぶまれ ていたが、土曜日は雨模様の中、通常通りの スケジュールで進行。ただ、日曜日は、台風 が通過することになるため、いつ中止のアナ ウンスが出るかが焦点の一つになっていた。  降り続く雨の中、各クラスの公式予選が行 われ、ST600クラスの予選が始まる直前に日 曜日のレース中止、予選順位でハーフポイン トが着くことが発表される。事前テストでタ イトルを争うライバルとは同ポイントで並ん でいる。ライバルは、ウエットを走っていた が、小山は走っていなかった。しかし、小山 には、今まで培ってきた経験があった。セッ ション序盤は、コンディションを確認し、 セッション終盤にタイムアタックを敢行。高 速S字コーナーのモスエスでは、リアが振ら れ、危険な状態であったが、リスクを覚悟し 攻めて行く。計測最終周に1分41秒045を マークし4番手で予選セッションを終え、ラ イバルに対し1ポイント差をつけ最終戦鈴鹿 で決戦を迎えることになった。



Round6 鈴鹿


まさかのアクシデント!

          勝利の女神は微笑まなかった

いよいよシリーズ最終戦となった全日本ロードレース 選手権。舞台は、今年も三重県・鈴鹿サーキット。小山 は、暫定ポイントリーダーとして今回の最終戦を迎えて いた。タイトル争いを繰り広げる岡本選手とは、僅か1 ポイント差。どちらかが前でゴールした方がシリーズチ ャンピオンというシンプルな状況だった。   事前合同テストがなかったこともあり、レースウイーク は、今年も木曜日の特別スポーツ走行から始まった。 小山は、初日から好調で1回目のセッションから金曜日 の2回目までの4セッションを全てトップタイム。2番手 以下を引き離し、安定した速さを見せていた。土曜日に 30分1セッションで行われた公式予選でも、ただ一人2 分12秒台をマークしトップグリッドを確保。2004年の 全日本GP125クラス最終戦以来、実に14年振りのポ ールポジションとなり、18年振りのシリーズチャンピオン 獲得に向け最高の流れで進んでいた。   しかし、決勝日は、それまでと一転し雨模様となって いた。基本、小山は、ドライもウエットも同じセットだが、 15分間で行われた朝のウォームアップ走行でマシンの 状態を確認。ドライコンディションであればタイム差があ ったため独走することも考えられたが、ウエットでは、そ れほど差をつけることは難しいと思っていた。それでも 十分トップ争いはできる状況であり、レース展開を考え ながら最後に前でゴールすることを考えていた。   ウエット宣言が出され周回数は、12周から2周減算の 10周で争われた。小山は好スタートを決めホールショ ットを奪うと、まずはトップに立つ。オープニングラップ では、早くも後続が仕掛けて来たが冷静に周りの動き を見ながら周回を重ねていた。後方につけながらアグレ ッシブな走りをしていたライダーがいるので警戒してい たのだが、まさかの展開が待っていた。   ちょうどレースも折り返しを過ぎた6周目。デグナーカ ーブ進入でトップを走っていた國峰啄磨選手のインに 佐野優人選手が入ると、國峰選手がアウト側に押し出 される形になり、コースにとどまるために減速。小山が 通常のスピードで入って行くと目の前に國峰選手が現 れる。小山はブレーキをかけて回避したものの接触。転 倒は免れたものの大きくコースアウトし遅れてしまう。7 周目に入るところでは12番手とタイトル獲得は絶望的 となってしまう。それでも最後まで走り切り10位でチェ ッカー。シリーズランキング2位で2018年シーズンの全 日本ST600クラスを戦い終えたのだった。

 

2018 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第9戦

第50回 MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿 三重県・鈴鹿サーキット(1周5.821km)

観客動員数 2万7500人(2日間合計)

ST600クラス 11月3日(土)予選:P.P.(2分12秒983)       

4日(日)決勝:10位 シリーズランキング:2位

小山知良 コメント

「しっかりレース展開を考えながら、前でアグレッシブな走りを しているのが見えていたので警戒していたのですが、またも勝 利の女神は微笑んでくれませんでした。ウイークに入ってから は、全セッションでトップタイム、14年振りのポールポジション とドライでは独走できる自信がありましたし、ウエットでも十分 戦える状態でした。チャンピオンになれなかったのは実力。 もっと速く走ることができるように精進します。無事に全日本を 戦い終えたことを日本郵便様を始め、スポンサーの皆さん、応 援してくださった全ての皆さんに感謝いたします。ありがとうご ざいました」