Race Result


2019 年 全日本ロードレース選手権

 

ラウンド グランプリ名 決勝日 予選 決勝 ランキング
1

ツインリンクモテギ

 

4/7  4位 4位 4位 
3

スポーツランド SUGO

 

5/26  2位 優勝  2位

筑波サーキット

 

6/22、23 4位/6位  3位/2位  2位
6

岡山国際サーキット

 

9/1  3位 優勝   1位
7

オートポリス

 

10/5 1位  優勝   1位
8

鈴鹿サーキット

 

11/3  3位     2位  1位

※ラウンド.2 鈴鹿サーキット / ラウンド.5 ツインリンクモテギはJSB1000クラスのみの開催


Race Report

Round1 ツインリンクもてぎ


トラブル続きの中、Honda最上位でフィニッシュ!

  昨年、あと一歩で、タイトルを逃した小山。今シ ーズンこそチャンピオンを獲得するために、チーム は、アップデートできる部分は行い、少しでも有利 に開幕を迎えられるように備えていた。    開幕戦の前週に行われた公開テストで今 シーズン初ライドとなった小山は、新しくなっ たブリヂストンタイヤのフィーリングを確かめ ながら徐々にペースアップ。1分54秒台に入 れ、レースウイークを前に、まずまずの手応え を感じていた。さらにチームは万全を期すた めに作業を続けたが、これが裏目に出てしま う。開幕戦は、木曜日に特別スポーツ走行が あり、通常より1日早く走行が始まる。だが、 小山は、初日の1本目でマシントラブルが発 生し、全く走ることができなかった。修復され たはずの2本目も、計測4周しかできずにいた。 金曜日もマシンは本調子ではなく、1本目は9 番手、2本目は15番手と本調子には、ほど遠 い状態。その間、ライバルは、タイムを縮めコ ースレコードを上回る速さを見せていた。  公式予選は土曜日の12時25分から35分間1セ ッションで行われた。天気もよく気温も、この季節 しては上がり、4月下旬の陽気となっていた。足回 りのセットは、公開テストの状態に戻し、マシンを 確認しながらタイムアタックに入ると自己ベストと なる1分54秒352をマーク。Honda勢最上位と なる4番手につけた。    18周で争われた決勝レース。2列目から好スタ ートを見せた小山は、3番手で1コーナーに入って 行く。5コーナーで南本選手にかわされ4番手に下 がるが、そのテールをピタリとマークし周回を重ね る。その後、トップ2台が離れてしまい、小山は南 本選手と一騎打ちの3位争いとなる。ライバルの 速さ、自分のマシンの状態など現状を冷静に解析 し、無理ができないと判断した小山は、背後から プレッシャーをかけミスを待ったが、そのまま4位 でゴールする道を選んだのだった。それでも Honda勢では断トツのトップ。シーズンを考えれ ば、まずまずの結果と言える開幕戦となった。

2019 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第1戦

TWIN RING MOTEGI SUPERBIKE RACE

栃木県・ツインリンクもてぎ(1周=4.801379km)

4月6日(土)予選:4番手(1分54秒352)     

7日(日)決勝:4位

小山知良 コメント

「今シーズンも多くの応援ありがとうございます。開幕戦は、 レースウイークにトラブルが多発し、厳しいレースでしたが、 チームも頑張ってくれたので、ライダーでアジャストできる部分 は、最大限行いました。決勝は無理をすれば勝負できたかもし れませんが、接触してコースアウトという可能性もあったので4 位で着実にゴールすることを選びました。次戦は、勝ちを狙え るように、しっかり組み立てて行きたいですね」




2019 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第3戦 SUPERBIKE RACE IN SUGO

宮城県・スポーツランドSUGO(1周=3.7375km)

5月25日(土)予選:2番手(1分31秒226)     

26日(日)決勝:優勝

 小山知良 コメント

「SUGOでは、過去2度タイトルを逃した苦い経験があるので、 今回勝つことができればタイトルを大きく引き寄せることがで き、2位以下ならば、それが難しくなると思っていました。ス タートしてから長尾選手のペースが本当に速く、このペースで タイヤがもつのか? と思いつつも、ついていかなくては話しに ならないので必死について行きました。日曜日は特に暑くなる 予報だったので、暑さに合うセットをグリッドまで悩み、それが うまく行きました。次戦の筑波も、この調子で攻めて行きたい ですね」

Round3 スポーツランドSUGO


鬼門のSUGOで大きな勝利!

開幕戦ツインリンクもてぎは、マシントラブルに 悩まされたが、第3戦SUGOまでのインターバル でチームは完璧なマシンを用意してくれていた。 事前テストでは、1分30秒台に入れるが、ライバ ルは、さらに速く、小山は3番手タイム。    レースウイークに入ると、事前テストのときよりも 気温が上がり、路面コンディションが変わったから か、全体的にタイムが伸び悩んでいる状態だっ た。日を追う毎に気温が高くなる予報が出ていた ため、高い路面温度に合うセットアップをチームと 話し合いながら綿密に詰めて行く。レースウイーク 初日は、事前テストからコンディションが変わった からか全体的にタイムは伸び悩んでいたが、小山 は、1分31秒183をマークしトップにつけていた。  公式予選が行われた土曜日は、さらに暑くなった ためタイムを出すのは、タイヤの状態がいいセッ ション序盤となっていた。小山は、1分31秒226 をマークしリーダーボードのトップに立つが、その 後、長尾選手が上回ってくる。小山は、2番手で 予選を終える。   日曜日は、さらに気温が上がり路面温度は50度 を超えるほどだったが、そのコンディションこそ小 山が臨んだものだった。グリッドに着くギリギリま でサスセットを行い、いざレースがスタート!  20周で争われた決勝。小山は好スタートを切り 2番手につけ、トップを行く長尾選手を追う。長尾 選手はハイペースで周回を重ね、小山も、これに ついて行く。トップグループは、4台に絞られレー ス中盤には、岡本選手が前に出て行き、小山は2 番手につけていた。この日は、レースウイークで初 めてバックストレートが追い風だった。小山は、こ こを最後の勝負ポイントと決めていた。    迎えた最終ラップ。小山は、1コーナーで岡本 選手にインに入るが、クロスラインとなり抜き返さ れる。岡本選手のテールをピタリとマークする小 山はバックストレートから馬の背コーナーのブレー キングで前に出て行く。そして最後のホームスト レートで並びかけられるが僅か0秒002差でトッ プチェッカー。今シーズン初優勝を達成した。



Round4 筑波サーキット


両レースで表彰台を獲得!

タイトルを見据えた戦い

全日本ロードレース選手権第4戦は、茨城県・筑波サーキットで行われ、今年も2レース制で争われた。シリーズ全体を見ると重要なレースになることは間違いなく、かつては筑波マイスターと呼ばれた小山にとっても負けられない一戦となる。
 事前テストは、2日間あったが、小山の都合で初日のみ参加。そこでマシンを確認し、タイム的にも満足行く手応えがあった。レースウイーク初日は、ドライコンディションとなり、小山は1本目から攻めの走りでタイムを削って行く。ちょうど日差しも出て路面温度も上がったからか1コーナーで転倒を喫してしまう。ケガはなかったが、マシンにダメージがあり、チームは2回目の走行までに修復に追われることになる。2回目のセッションでは、マシンを確認し、徐々にペースを上げて行くが、この日は、1回目にマークした58秒455がベストとなり4番手となっていた。
 公式予選は、ドライコンディションで始まったが、今にも雨が降りそうな天候だったため、クリアラップを取るためタイミングを考えてコースイン。計測5周目のアタックで58秒068を、6周目のアタックで58秒312をマーク。セッション終盤に雨が降り出し、組みアタマ取りで順位は決まることになる。レース1は4番手、レース2は6番手と2列目のグリッドを確保した。
 その後、雨は降り続き路面はウエットとなる。しかしST600クラスのレースが始まるころに雨はほとんど止み、路面は乾く一方だった。難しいコンディションとなったレース1は、岡本選手との3位争いを展開。残り2周となった19周目の1コーナー立ち上がりで小山は前に出るが、第1ヘアピンで抜き返される。さらに最終コーナーで前に出るが、ラストラップの1コーナーのブレーキングで岡本選手がインに入って来る。これを冷静に見た小山は、立ち上がり重視のラインで前に出て行くと、このバトルを制し3位でゴール。
 レース2は、スタート直後は3番手につけていたが、前を走る長尾選手のペースが上がらず、ミスに乗じて前に出るとトップを走る岡本選手を追う。9周目には、このレースのファステストラップをマークしジリジリとその差を詰めていく。しかし僅かに射程まで届かず2位フィニッシュとなった。

2019 全日本ロードレース選手権シリーズ 第4戦 in 筑波
茨城県・筑波サーキット(1周2.070km)
6月22日(土)予選 RACE 1:4番手(58"068)

RACE 2:6番手(58"312)

 23日(日)決勝 RACE 1:3位 RACE 2:2位

小山知良 コメント

「チャンピオンシップを考えればベストを尽くせたと思います。昨シーズンと同様、岡本選手とのタイトル争いを後半戦も楽しもうと思っています。タイトルを獲ったとしても、これから世界に出るというライダーではないのですが、若手ライダーの見本となるようなレースをしていきたいですね。現地に駆けつけてくださった日本郵便さん、KOYAMAX応援団を始め、今回も多くの応援ありがとうございました」



2019 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦
スーパーバイクレース in OKAYAMA
岡山県・岡山国際サーキット(1周3.703km)
8月31日(土)予選:3番手(1分33秒077) 9月1日(日) 決勝:優勝

小山知良 コメント
「金曜日の1本目が決勝と同じようなコンディションで、その中でいいフィーリングで走れていました。レース前に雨雲レー
ダーを見て雨が降らないことを予測できたので、金曜日のセッ
トで行くことにしました。レース序盤は、リアタイヤが思うようにグリップしなかったのですが、前後左右に動いてリアがグリップすることを確認し、自分のストロングポイントが分かったので残り3周くらいで勝てると思いました。その通りの展開に持って行けたので、よかったですね。応援してくださった、全ての皆さんに感謝いたします」

Round5 岡山国際サーキット


冷静に状況を判断し

        勝利を引き寄せる

全日本ロードレース第6戦が岡山県・岡山国際サーキットで開催された。全日本ST600クラスは、今回からシリーズ後半戦に突入。残り3戦でタイトルが決まることになるが、昨年は、最終戦までタイトル争いをリードしながらも、コースアウトでランキング2位となった。

タイトルのことを、あれやこれやと考えるよりも、一戦一戦集中し、ベストを尽くすことを考えようというスタンスで小山は臨んでいた。
前週に行われた公開テストから、マシンは、まずまずの状態だったが、ドライコンディションでは、常にライバルが先行していた。それは、レースウイークに入ってからも変わらなかった。ただ、今回のポイントとなったのは、金曜日の1本目のセッションだった。
この1本目、雨は止んでいたが路面はウエット。走る
毎に乾いて行く状況だったが、ここを小山は調子よく
走ることができていた。
ST600は48台のエントリーがあり、2グループに分かれてセッションが行われ、公式予選は20分の走行が2本で争われた。小山は、1本目に1分33秒077をマークし組2番手、総合では3番手となり、フロントロウからレースに臨むことになっていた。
日曜日は、朝のウォームアップ走行のころから雨が降り出してくるが、路面を濡らすほどではなく、ドライタイヤでの走行となっていた。その後、午後から雨は本降りとなり路面はウエットとなる。ST600のレースが始まるころに雨は止み、金曜日1本目のように路面が乾いて行くコンディションになることが予
想された。雨雲レーダーを確認し、雨は降ってこない。ならば金曜日のセットで行けばいいと判断した。レースは3周減算の16周で争われた。小山は、まずまずのスタートを切り3番手につけていた。リアが思っていたほどグリップしなかったため、体重移動やアクセレーションを駆使し、リアタイヤをグリップさせるライディングを試行錯誤する。一時は、4番手まで下がったが、リアタイヤのグリップと最終コーナーでのストロングポイントを確認すると、前を走る奥田選手をかわし3番手に上がると、ファステストラップを更新する走りで長尾選手に迫り、その勢いのまま2番手に浮上。最終ラップに入るホームトレートで國峰選手をかわすと、そのままトップでゴール。今シーズン2勝目を挙げ暫定ポイントリーダーに躍り出ることになった。



Round6 オートポリス


圧倒的な速さを見せつけ        ポールtoフィニッシュで今季3勝目!

全日本ロードレース選手権は、大分県・オートポリスで第7戦を迎えた。前戦の岡山ラウンドを制し、暫定ポイントリーダーに躍り出た小山は、チャンピオンになることよりも、とにかく速く走りたいという思いを露わにしていた。昨年は、タイトルを獲ることを考えシーズンを戦ったが、結果的に最終戦で逃す結果となってしまった。ならば、常に全力を出し、圧倒的な速さを見せつけることに重きを置いていた。

世界、そしてアジアを戦ってきた小山だが、そのライディングは、まだまだ進化しており、その証明の一つが速さだった。もちろん、これから世界を目指す若いライダーには、小山を超え
ていってもらいたいという思いもあるのだ。
事前テストでは、アベレージタイムは、いいところまで来ていたが、一発タイムではライバルに遅れを取っていた。それはレースウイーク初日も変わらなかった。
予選を前に、仮に転倒しても完璧にマシンを修復しますよ、とメカニックと話した小山は、全力でタイムアタックに臨んだ。その結果、昨年の最終戦以来となるポールポジションを獲得。決勝に向けての仕上がりもよく、スタートから集中して走る
だけだった。
決勝日は、朝方こそ霧に見舞われたが、その後は回復しドライコンディションでレースは行われた。ポールポジションからスタートした小山は、ホールショットを奪うと、そのままレースをリード。1分53秒台で全周走るのを一つの目標にしており、そのペースには、タイトルを争う岡本選手、奥田選手、國峰選手、長尾選手などがレース序盤はついてくるが、徐々に離れ始め、レース中盤には独走体制に入っていく。小山は、コンスタントに1分53秒台を記録。レース終盤に1分54秒台にタイムを落としてしまったが、もう一つの目標として2位を5秒以上引き離すというものがあった。これは4秒964差と、ほぼクリアしたと言っていいだろう。小山は、独走でチェッカーを受け、圧倒的な速さで今シーズン3勝目を挙げた。ポールtoウインは17年振り、シーズン3勝は16年振りであり、チームにとっては、初のポールtoウインとなった。

2019 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ 第7戦
SUPERBIKE RACE in KYUSHU
大分県・オートポリス(1周4.674km)
10月5日(土) 予選:P.P(1分53秒403) 10月6日(日) 決勝:優勝

小山知良 コメント
「独走で2連勝、今シーズン3勝目を挙げることができました。これもチーム、応援してくださる皆さんのおかげです。二つ掲げた目標のうち一つはクリアできず悔しいですが、圧倒的な速さを見せることができたと思います。最終戦もタイトルを意識せずに、記録よりも記憶に残るライダーを目指して、とにかく全力で走ることだけを考えてプッシュして行きます。引き続き応援よろしくお願いいたします」



2019 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 最終戦

第51回MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿 三重県・鈴鹿サーキット

11月2日(土) 予選:3番手(2分11秒945)

11月3日(日)  決勝:2位

シリーズランキング:チャンピオン

小山知良 コメント

「日本郵便さんを始め、各スポンサーさん、ファンの皆さん、今シーズン も多くのサポート・応援をしていただき本当にありがとうございました。おかげさまで19年振りにチャンピオンの称号を手に入れることができまし た。これまで幾度となくタイトルに届かずランキング2位と悔しい思いをしてきました。ちょうど一年前もタイトルを意識した走りをした結果、チャ ンピオンになることができませんでした。今年は、負けたら終わりではなく、辞めたら終わりなんだと自分に言い聞かせ、リスクを負ってでも全力でプッシュし続けると決めてシーズンを戦ってきました。今回の最終戦も 最後まで優勝を目指して全力で攻めましたが、あと一歩及ばず2位でした。これは、まだまだ成長しなければいけないと言うことだと思います し、もっと強い選手になれるように精進して行きます。これからも応援よろしくお願いいたします」

Round7  鈴鹿サーキット


最後まで攻めの走りを見せ

         19年振りの王座に着く!

 2019年もポイントリーダーとして最終戦鈴鹿を 迎えた小山だったが、昨年とは大きく違っていた。 アジアロードレース選手権、そして昨年とタイトル 争いを繰り広げてきたが、マシントラブルやアクシ デントでランキング2位となっていた。自らを“セカ ンドコレクター”と呼び自虐ネタとしていたが、今 シーズンは、タイトル争いを計算するのではなく、 とにかく全力を尽くすことだけを考えて走ることを 決めていた。  

今年も最終戦は事前テストがなく、木曜日の特 別スポーツ走行から始まった。小山は、初日は2 番手、2日目の1本目では、真っ先に2分12秒台 に入れトップタイム。2本目は2番手となるが決勝 に向けてマシンセットは着実に進んでいた。公式 予選では、コースレコードも狙っていたが僅かに及 ばず2分11秒945で3番手となる。

  そして運命の決勝レースを迎える。レースウイー クに入り、好アベレージを刻んでいた南本選手が 予想通りレースをリード。小山は、2番手につけて いたが、後方から追い上げて来た古山選手にか わされ3番手。タイトルを争う岡本選手が、その背 後につけていた。レース終盤も終盤を迎えようか と言う8周目。ペースが落ちて来た古山選手を小山は、デグナーカーブ進入でかわし2番手に浮上。9周目のストレートで抜き返されるが、10周 目のS字コーナー進入で古山選手を再びパスする とトップを行く南本選手を追っていく。その翌周に は、岡本選手が転倒しリタイアとなり、この時点で 小山のチャンピオンは、ほぼ決まっていたが小山 はアクセルを緩めなかった。ペースの落ちた南本 選手のテールを捕らえた小山は、その背後に追い つくと最終ラップのスプーンカーブ進入でインに 入りトップに浮上する。しかし、バックストレートで 抜き返されると、最後の勝負どころとなるシケイン もしっかり抑えられ万事休す。2位でチェッカーフ ラッグを受け19年振り2度目の全日本チャンピオ ンを獲得した。