Race Result


2020 年 全日本ロードレース選手権

 

ラウンド グランプリ名 決勝日 予選 決勝 ランキング
1

スポーツランド SUGO

 

8/10  1位 9位 9位 
2

岡山国際サーキット

 

中止  -  -
3

オートポリス

 

9/20 3位  優勝  4位
4

ツインリンクもてぎ

 

10/18

 9位 2位   2位
5

鈴鹿サーキット

 

10/5 6位  5位  3位

※筑波サーキットは開催中止となりました。


Race Report

Round 1 スポーツランドSUGO


粘って獲得した12ポイント

 2020年も、早くも8月を迎えた。新型コロナウイルスの影響を受け、全日本ロードレース選手権が宮城県・スポーツランドSUGOで、ようやく第1戦を迎えた。フィジカルトレーニングは欠かさなかったが、7月に入ってから、ようやく600ccのマシンでサーキットを走った。昨年の最終戦以来、実に7カ月ぶりのことだったが、小山の人生の中で、これほどサーキットを走らなかったのは初めての経験だった。

今シーズンより足回りの変更を行ったが、事前テストから天候に恵まれず、なかなかセットは進んでいなかった。レースウイークに入っても初日、2日目と雨模様となっていた。

公式予選は、ウエットコンディションで行われたが、雨量は少なく、乾いて行くことが予想されたため、セッション序盤は転倒しないようにマージンを残し一度アタックし、セッション終盤に、もう一度アタックすることを決めていた。その読み通りのコンディションとなり、ペースを上げて行くと、最後のアタックをうまくまとめた小山は、ただ一人1分42

秒台に入れる1分42秒818をマークし、ポールポジションを獲得した。

決勝日は、天気予報通り晴れとなり、朝のウォームアップ走行でドライのセットを確認。路面温度が上がることを想定することも怠らなかった。

この日、最後のレースとなったST600クラス。暑さのピークは過ぎていたが、それでも気温は高く、ハードなレースになることは明らかだったが、そこに勝機を見出したいところだった。

レースは、予想通り岡本選手が逃げ、これを小山もすぐに追いたいところだったが、オープニングラップに南本選手にかわされてしまう。すぐに抜き返すが、トップの岡本と約1秒の差がついてしまう。さらに中盤辺りからバックマーカーが出てくると、S字コーナーで引っかかってしまい、その差は

一気に広がってしまう。それでもあきらめずにプレッシャをかけていたのだが...。マシントラブルが発生してしまいスローダウン。それでも後続との差を確認しながら走行を続け、9位でゴール。貴重な12ポイントを獲得した。

2020 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ

第1戦 SUPERBIKE RACE in SUGO

宮城県・スポーツランドSUGO 

8月9日(土) 予選:P.P.(1分42秒818)

10日(祝・月)決勝:9位

小山知良 コメント

「厳しい戦いになることは予想していたので、タイヤマネジメントも考えず全力で行きました。プレッシャーをかけて行けばチャンスがあるかと思っていましたが...。レースは何が起こるか分からないので最後まであきらめずに走った結果9位でゴールすることができました。これがノーポイントだったらタイトル争いは、より厳しくなるところでした。現地で応援してくださった皆さんを始め、今シーズンもボクのレース活動を支えてくださる全ての方に感謝いたします。次戦、岡山国際サーキットで挽回します




2020 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ

第3戦SUPERBIKE RACE in KYUSHU

大分県・オートポリス

9月19日(土)予選:3番手(1分53秒300)

20日(日)決勝:優勝

 小山知良 コメント

「日本郵便を始め、スポンサー、ファンの皆様の応援のおかげで今シーズン初優勝・オートポリス3年連続優勝を飾ることができました。開幕戦はトラブルで悔しい思いをしたので、その気持ちを晴らすことができました。レースは、岡本選手は予想以上に速いペースで走っていたので苦しいレースでしたが、最後まであきらめずにベストを尽くしました。自分自身のストロングポイントを活かし、最終ラップの1コーナーで勝負しようと決めていました。次戦も全力で頑張ります。引き続き応援よろしくお願いいたします」

Round 3 オートポリス


狙い通りの勝利!        オートポリス3連勝達成!!

8月に開幕した2020年シーズンの全日本ロードレース選手権。第1戦SUGOは勝つことは難しかったが2位はキープできたレースだった。マシントラブルで悔しい思いをしたが、その分、第2戦岡山ラウンドで勝とうという思いは強かった。

しかし台風10号の影響を受け中止となってしまい追う立場の小山としては、苦しい状況に置かれることになってしまう。

そして第3戦オートポリスを迎える。事前テストがなかったため前週のスポーツ走行に遠征し、プライベートテストを行った。オートポリスは、2018年、2019年と優勝を飾っている相性のいいサーキット。ライバルに勝つためには、どうすればいいかを考え、1周の速さよりも、レースで勝つマシン作りをしていくことを決めていた。オートポリスの勝負所である1コーナー、そして第2ヘアピンへのブレーキングで誰にも負けないためのセットを進めて行った。ブレーキングに特化するとマシンが曲がらなくなるが、そこはトライアルトレーニング

で培ったテクニックで曲がらないマシンを曲げて勝負することを選んでいた。金曜日は、悪天候のためにキャンセルされ、土曜日から走り出すことになった。予選前にART走行があり、ここで小山は、マシンセットを確認。公式予選でも、序盤にタイムを出すと、決勝を見据えた走りにスイッチ。ベストタイムは1分53秒300となり3番手とフロントロウを確保していた。

15周で争われた決勝。序盤こそ5台のトップグループとなったが、中盤からは予想通り岡本選手との一騎打ちとなった。レースを引っ張る岡本選手のペースは速かったが、小山もファステストラップを記録しながらテールをマーク。タイヤマネジメントを考えながら、最終ラップの1コーナーで勝負することを決めていた。ラスト2周となったところでピタリと背後につけ最終ラップに突入。スリップストリームから抜け出しレイトブレーキングで岡本選手をパス。そのままトップでゴールし今シーズン1勝目、オートポリス3連勝を飾った。



Round4 ツインリンクもてぎ


限界を超えてライバルを追った14周

前戦オートポリスラウンドでは会心の勝利を飾った小山。しかし、開幕戦でのトラブルはタイトルを防衛する上では、かなり厳しい状況となっている。

シリーズ第4戦の舞台となるツインリンクもてぎはストップ・アンド・ゴー部分が多く、マシン的にタイトルを争う岡本選手に対して厳しいところだ。実際、岡本選手も調子よく、木曜日、金曜日と自身の持つコースレコードを上回る速さを見せていた。これに勝つのは、至難の業だったが、小山もチームも決してあきらめはしなかった。

土曜日は雨に見舞われレースウイークで唯一のウエットコンディションとなった。小山は、コースの状況を確かめながらペースを上げる。予想以上にグリップがよくタイムも上がって行くが、周りもタイムアップしており、なかなか順位を上げられないでいた。最後のアタックもベストを更新するもの

の、他のライダーにひっかかってしまいポジションは9番手。一方、岡本選手は3番手につけておりフロントロウにつけていた。

日曜朝に霧が出たためウォームアップ走行の開始が30分遅れてしまう。このためタイムスケジュールが変更になり、レース周回数も2周減算の14周で争われることになった。3列目スタートとなった小山は、序盤でリスクを覚悟してでも前に出て行くことを決めていた。好スタートを決め1コーナーに7番手で入るとオープニングラップで4番手まで浮上。2周目の3コーナーで3番手に上がるとトップ2台を追っていく。3周目には、コースレコードとなる1分53秒869をマーク。自分自身の壁を破りながら周回を重ねて行く。そして9周目の5コーナーで長尾選手をかわし2番手に上がると、トップを走る岡本選手に迫って行く。12周終了時には、その差をコンマ3秒とするが、あと一歩届かず2位でゴール。悔しい結果だったが、全てをやり尽くしての2位だけに納得はできるレース内容だった。

2020 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ

第4戦 SUPERBIKE RACE in MOTEGI

栃木県・ツインリンクもてぎ

9月19日(土)予選:9番手(2分04秒049)

20日(日)決勝:2位

小山知良 コメント

「今回も多くの応援が力になりました。本当にありがとうございます。レースは、スタートからリスクを背負ってでも、前に出て行く覚悟をしていました。実際にポジションを上げて行けましたが、3番手に上がった時点で、かなり差がついていました。それでも最後まであきらめずに自分自身の限界を超えて走っていました。4周目の4コーナーでハイサイドで太ももを強打してしまい、シフトミスもありましたが、いいペースで走ることができたので納得の2位です。最終戦は、とにかく攻めて勝ちだけを狙います」



2020 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 最終戦

第52回MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿

三重県・鈴鹿サーキット

2020年10月31日(土)予選:6番手(2分11秒779)

11月1日(日)決勝:5位   シリーズランキング:3位

小山知良 コメント

「レースで2度も赤旗が出て、最後も赤旗で終了と不完全燃

焼となりましたが、これもレース。最後に最高の状態にバイクを仕上げてくれたチームとメカニックに感謝します。全4戦と短いシーズンになりましたが、コロナ禍の中、開催に漕ぎつけてくださった全ての皆さんに感謝します。開幕戦でのトラブルが響きタイトルを防衛することはできませんでしたが、レーシングライダーとして、また一歩成長できたシーズンになりました。来年は、今まで以上に勝てるバイクに仕上げて勝つことにこだわって行こうと思っています。引き続き応援よろしくお願いいたします」

Round5 鈴鹿サーキット


これもレース。

無事にシーズンを終えられたことに感謝

短期決戦となった2020年シーズンも三重県・鈴鹿サーキットで最終戦を迎えた。前戦で暫定ランキング2番手に上がった小山だが、岡本選手との差は13ポイントあり、小山が優勝しても岡本選手が9位以下にならなければ逆転タイトルはない。

2連覇への道は、かなり険しい状況だったが、いつも通り勝ちを目指すことに変わりはなかった。

まずは、前戦ツインリンクもてぎまでの流れのセットと、昨年の鈴鹿でのセットを比較するところから始める。結果的に昨年の方が、タイムが出て、ユーズドタイヤでも安定して走ることができていた。天候も安定していただけに、公式予選では、2分10秒台に入って来ると予想していたし、小山自身も出すことを目指していた。

予選が始まると、すごくいいフィーリングで乗ることができていた。そしてアタックラップ2周目には、他車にひっかかりながらも2分11秒7が出たのを見ると、さらに攻めて行く。しかしMCシケインを左に切り返したところでクラッシュしてしまう。小山自身は、余裕があったのだが、後でロガーを確

認したところ前の周よりも5km/hも速かった。タイムを出せなかったのは残念だったが、それだけ攻めて行ける状態にあるのが分かっていただけに、レースに向けて不安は全くなかった。

そして今シーズン最後レースを迎える。2列目6番手グリッドからスタートした小山はトップグループの後方につけ、まずは周りの動きをけん制する。4周目に入ったところで赤旗中断があり、残り7周で再開されることになる。周回数が短いだけに鈴鹿を得意とする若いライダーの勢いがいい。警戒しつつも残り2周で前に出て行こうとしていた。その予定通り6周目の1コーナーで岡本選手をパスし4番手に浮上。さらに前を追うが、MCシケインでオイル旗が振られているのを確認すると砂が出ていた。そこで前を走っていたライダーが転倒。後続も2台転倒し2度目の赤旗が提示されると、そのままレースは成立。5周終了時の5位という不完全燃焼な最終戦となった。